母の日の定番「カーネーション」の花言葉についてご紹介!
母の日の定番「カーネーション」の歴史と花言葉についてご紹介!
カーネーションは母の日にお母さんにプレゼントするお花として長年愛されてきたお花です。
日本では通年出回りのあるお花で、お花屋さんやホームセンターだけではなく、最近ではコンビニや雑貨屋さんでも売られているところを見かけます。
今回はそんなカーネーションがどのようにして広まっていったか? また、カーネーションの花言葉などをご紹介します。
ぜひ、プレゼント選びの参考にしてくださいね。
カーネーションってどんな花?
カーネーションは南ヨーロッパが原産だとされており、特に地中海沿岸で生まれたのではないかとされています。
カーネーションという花の名前は、ラテン語の「carn(肉)」から取られたのではないかと言われています。確かに、赤いカーネーションなどは生肉の色に似ているような気がしますね。
また別の説として、中世ヨーロッパではカーネーションは冠飾りの意匠としてモチーフになることがあったので、冠飾りの「coronation flowe」が転訛したとも言われています。
いずれにしても古くから愛されてきたことがわかりますね。なお、カーネーションの原種はクローブに似た香りを持っていて、ワインの香り付けに使用されたようです。
■ カーネーションの基本情報
植物名 | カーネーション |
学名 | Dianthus caryophyllus |
科名 | ナデシコ科 |
属名 | ナデシコ属(ダイアンサス属) |
原産地 | 南ヨーロッパ、西アジア |
開花時期 | 四季咲き性 |
カーネーションはナデシコの仲間です。よく見ると、ナデシコと一緒の茎をしているのがわかるかと思います。
日本名ではオランダナデシコ、ジャコウナデシコ、オランダセキチクなどと呼ばれていたようです。
■ カーネーションの特徴
カーネーションはたくさんの花びらで構成されているお花で、フリルを思わせる花姿で、ゴージャスな印象があります。
また、たくさん品種改良をされているお花なので色や形のバリエーションが豊かなことが特徴的です。
切花はとても使い勝手が良いので、フラワーアレンジメントや花束に使用されることも多く、プリザーブドフラワーにもなっています。
しかし、お花に水分量が多いため、ドライフラワーには向いていません。シリカゲルで仕上げればそれなりに綺麗に仕上がりますが、すぐに色褪せてしまうのも特徴です。
カーネーションの花言葉は?
カーネション全体の花言葉は「無垢で深い愛」です。そのほか、「女性への愛」「感覚」「感動」「純粋な愛情」といった花言葉がつけられています。
大変ポピュラーなお花で、古くから愛されてきているので、カーネーションには色別の花言葉と、本数別の花束があります。
今回は一つ一つ解説をしてみようと思います。
■ 色別に見るカーネーションの花言葉
カーネーションはカラーバリエーションが多いことで有名なお花です。
色は大きく分けて8色程度あり、微妙な色合いのものを含めると非常に多くの色があります。
特に出回りの多い色合いは赤・白・ピンクですが、他にも濃い赤や黄色、オレンジ色、紫色や青色などもあります。
カーネーションは色別にさまざまな花言葉がつけられていますので、以下にそれをまとめてみました。
カーネーションの色 | カーネーションの花言葉 |
赤いカーネーションの花言葉 | 「母への愛」「母の愛」「純粋な愛」「真実の愛」 |
深い赤のカーネーションの花言葉 | 「心の哀しみ」 |
白いカーネーションの花言葉 | 「純粋な愛」「尊敬」「愛の拒絶」 |
ピンクのカーネーションの花言葉 | 「感謝」「女性の愛」「美しい仕草」「上品」「気品」「温かい心」 |
黄色いカーネーションの花言葉 | 「美」「友情」「軽蔑」「嫉妬」 |
オレンジのカーネーションの花言葉 | 「純粋な愛」 |
紫のカーネーションの花言葉 | 「誇り」「気品」「気まぐれ」「移り気」 |
青いカーネーションの花言葉 | 「永遠の幸福」 |
緑のカーネーションの花言葉 | 「癒し」「純粋な愛情」 |
■ 本数別に見るカーネーションの花言葉
カーネーションは本数によっても花言葉が異なります。
母の日にプレゼントするのが定番のカーネーションですが、この本数別の花言葉に関してはプロポーズや、恋人への想いを伝えるためにつけられています。
もしカーネーション好きな恋人であれば、本数に想いを寄せてプレゼントするのも良いですね。
カーネーションの本数 | カーネーションの花言葉 |
1本のカーネーションの花言葉 |
「あなたは私の運命の人です」 |
2本のカーネーションの花言葉 | 「誠実」 |
3本のカーネーションの花言葉 | 「あなたを愛しています」「幸福」 |
4本のカーネーションの花言葉 |
「あなたを一生愛し続けます」「信頼」 |
5本のカーネーションの花言葉 |
「希望」 |
6本のカーネーションの花言葉 |
「愛情」 |
7本のカーネーションの花言葉 |
「情熱」 |
8本のカーネーションの花言葉 | 「真実」「あなたの思いやりに感謝しています」 |
9本のカーネーションの花言葉 | 「尊敬」「いつまでも一緒にいよう」 |
10本のカーネーションの花言葉 | 「栄光」 |
11本のカーネーションの花言葉 | 「努力」 |
12本のカーネーションの花言葉 | 「永遠」 |
40本のカーネーションの花言葉 | 「あなたに永遠の愛を誓います」 |
50本のカーネーションの花言葉 | 「永遠」 |
99本のカーネーションの花言葉 | 「永遠の愛」 |
108本のカーネーションの花言葉 | 「私と結婚してください」 |
■ カーネーションにネガティブな意味は?
お花屋さんをやっていると、よくお客様から「カーネーションにはネガティブな意味はあるの?」という風に聞かれます。
基本的にお花にはネガティブな意味はないとご説明させていただくのですが、花言葉によってはそのように取られる方もいらっしゃるようです。 例えばカーネーションの場合、黄色いカーネーションには「軽蔑」「拒否」「失望」「嫉妬」「愛情の揺らぎ」といったネガティブな花言葉がつけられています。
これはイエス・キリストを裏切ったユダが着ていた服の色が黄色だったためにつけられた花言葉です。
また、古い時代には「亡くなったお母さん」に白いカーネーションを贈ることが定番になっていたことから、白いカーネーションを母の日に贈るのは避ける方もいらっしゃいます。
ただ、今はそこまで気にしなくても良いと思いますので、神経質な方にプレゼントを贈る場合に限って、少し注意をしてみると良いでしょう。
■ カーネーションの歴史
カーネーションはなんとギリシャ時代から栽培されたことがわかっており、ギリシャ神話にもカーネーションの花が登場しています。
詩や彫刻の主題となったりするなど、文学や芸術にも度々出てくることから、多くの人に愛されていた花であったことがわかります。
16世紀ごろになると、イギリスで品種改良が行われ、野生にはなかった白いカーネーションが生まれました。
17世紀になると、いわゆる植物オタク、園芸愛好家の間で人気を博し、イギリスやオランダを中心に300種以上のカーネーションが生まれました。
その時に生まれたのが八重咲きや大輪のカーネーションなどです。
そして現在のように通年出回っている四季咲き性のカーネーションが生まれたのは19世紀フランス。今でもヨーロッパで品種改良が盛んに行われています。
カーネーションを国花として定めているのは、スペイン、モナコ、ホンジュラス。スペインでは母性愛の象徴として知られています。
■ 日本でのカーネーションの歴史
日本で初めてカーネーションが持ち込まれたのは江戸時代です。大体徳川三代将軍家光の時代にオランダからやってきたと言われています。
しかしその後日本でカーネーションが栽培されることがなく、栽培用にカーネーションが持ち込まれたのは明治時代末期だそうです。
当時アメリカに住んでいた日本人が3つの品種を持ち帰り、カーネーションを栽培したのだと言います。
ただし、アメリカから持ち込まれたカーネーションは日本の気候に適さなかったため、栽培には難航したのだと言います。
1925年ごろ、他のお花と共にアメリカ式の温室の技術を日本に持って帰った日本人がいて、ユー花園のある世田谷で温室栽培が行われるようになりました。
これを機にカーネーションの栽培技術が確立され、一般的な品種として日本で広まっていくことになったそうです。
母の日にカーネーションを贈る理由は?
日本において母の日にカーネーションを贈るのは定番です。母の日のシーズンになると、お花屋さんではカーネーションが並ぶのは勿論のこと、
ホームセンターやコンビニ、百貨店などでもカーネーションが販売されます。
しかしなぜ、母の日にはカーネーションが贈られるのでしょうか? バラやダリアでも良いような気がしませんか?
これにはちゃんとした理由がありますので、母の日にカーネーションがプレゼントされる理由についてを解説していきたいと思います。
■ 母の日の由来とカーネーションの関係
母の日にカーネーションをプレゼントする理由は、母の日の由来と深く関係しています。
アメリカ南北戦争の時代、負傷してしまった兵の衛生改善活動を行っていたアン・ジャービスという女性がいました。
その娘であるアンナ・ジャービスが1907年に、亡き母を偲んで追悼の会を開きました。そこで母が好きだった白いカーネーションを祭壇に飾りました。
この会に感動した人々が翌年に同じ会を行い、「母の日」として祝ったことがきっかけで、アメリカ全土に母の日が広がっていくことになります。
2回めの会ではアンナ・ジャービスは白いカーネーションを参加者全員に手渡したので、この日以来白いカーネーションが母の日のシンボルになったのだと言います。
始まりは追悼の会だったので白いカーネーションでしたが、今では赤いカーネーションが定番となっています。
カーネーションはどんなフラワーギフトに入っている?
カーネーションは人気のお花で、通年出回りがあるため、さまざまなフラワーギフトに使用されています。
また、カーネーションは茎が真っ直ぐで花も大きく、非常に便利なお花でもあるので、好んで使うフローリストもたくさんいらっしゃいます。
■ フラワーギフトの定番「花束」
誕生日や結婚記念日に贈られる花束やブーケにもカーネーションが入っています。主役になることは少ないのですが、バラやダリアと合わせて使用されることが多いです。
母の日などではカーネーションをメインにする花束なども作られます。ふりふりとした花びらが魅力で、非常に見栄えがするのが特徴です。
カーネーションは花が大きく、見栄えがするため、フローリストにも好まれています。茎がまっすぐで花束に使用しやすいのもポイントです。
ウェディングブーケに使用されることもありますが、バラやダリアといったお花と比べると、機会は少ないでしょう。
■ 置くだけで簡単に管理ができる「フラワーアレンジメント」
お祝いの機会に贈られるフラワーアレンジメントにもカーネーションはよく使用されています。
カーネーションは花が大きいので、しっかりと空間を埋めることができるのが特徴です。なのでカーネーションが入っていると、ボリュームのあるフラワーアレンジメントになります。
またカーネーションにはさまざまな品種があり、花によって雰囲気も色の印象も随分と違いますから、カーネーション一つでアレンジメントの雰囲気が変わることもあります。
お手頃価格のフラワーアレンジメントにはカーネーションが入っていることも多いので、そういう視点でお花をみてみても面白いかもしれません。
■ 母の日には大定番「鉢物」
母の日にはカーネーションの鉢物が出回ります。鉢物のカーネーションは一本に対して複数のお花をつけますので、蕾から花が咲く様子も楽しむことができます。
鉢物のカーネーションは切花とはまた違う品種ですので、花束やフラワーアレンジメントでは見ることのできないカーネーションを発見できるかもしれません。
種から育てる場合は、少し上級者向けのお花になりますので、注意が必要です。
カーネーションの誕生花はいつ?
カーネーションは5月の誕生花として知られています。
また、日付ごとの誕生花としても設定されています。以下に詳しくまとめましたので、ぜひご参考ください。
カーネーション | カーネーションの誕生花 |
カーネーション全般 | 「1月11日」「1月21日」「2月16日」「4月15日」「5月9日」「5月10日」「5月11日」「5月12日」「5月13日」「5月15日」 |
赤いカーネーション | 「1月21日」「5月10日」「5月11日」「5月12日」「5月13日」「5月15日」 |
白いカーネーション | 「1月29日」「5月9日」「10月31日」 |
ピンクのカーネーション | 「1月11日」「1月21日」「5月10日」「5月15日」 |
絞り・斑入りカーネーション | 「2月16日」 |
まとめ
カーネーションは母の日にプレゼントされる印象がありますが、通年出回っているお花で、花束やフラワーアレンジメントには欠かせない花材。
フローリストにもファンが多いお花で、これからもたくさん品種改良されていき、もっとおしゃれなカーネーションが販売されていくことと思います。
花言葉も素敵なものばかりなので、ぜひカーネーションに想いを託して、大切な方にお贈りください。
Jan 23, 2025