百合の花言葉と歴史について

百合の花言葉と歴史について
大きくて堂々とした花姿と、陶器の様な質感が魅力的なお花「百合」。香りも良く、インパクトが大きいことから、多くの人に人気のお花です。
ウェディングからお葬儀、誕生日や結婚記念日などのフラワーギフトと、オールマイティーに活躍しているお花で、お花屋さんにも並んでいることの多いお花。
今回はそんな百合のお花について詳しく解説をしていきたいと思います。花言葉を中心に、ユリの歴史までご紹介。
ぜひ、プレゼント選びの参考にしてみてくださいね。
百合ってどんな花?

植物名 | 百合 |
学名 | Lilium |
科名 | ユリ科 |
属名 | ユリ属 |
原産地 | 北半球広域 |
開花時期 | 5月〜8月 |
現在では通年出回りのあるお花ですが、元々は夏の風物詩のお花でした。一本の茎に2〜3の大きなお花を割かせる植物です。
開花すると大きく花びらが広がって、花粉を吹くのが特徴。また、甘い香りを漂わせます。香水や消臭剤にも使用されていますよね。
咲き方は非常に多く、カラーバリエーションも豊かです。中には2m前後の高さになるユリもあります。
大きい公園などでは、ヤマユリなどが自生しているのを見ることができます。百合が咲いているのを見ると、夏が来るなぁと思いますよね。
百合の名前の由来は?

百合という名前は、百合のお花が風に揺れる様子がヒントになっているのだと言います。元々「揺すり」と呼ばれていて、それが転じて「ゆり」になりました。
他にも説があって、ユリの球根がいくつもの鱗片が重なっているため、「100枚合わせた球根」ということから「百合」と名付けられたとも考えられます。
古事記に由来する説もあり、伊須気余理売(いすきよりひめ)の「より」に由来しているともされています。
非常に古くから文化に根付いてきたお花ですので、さまざまな説があるのですね。
百合の花言葉は?

百合には花言葉がたくさんあります。「純潔」「無垢」「威厳」「洗練された美」「高貴な品性」「愛らしさ」「愛の告白」「無邪気」など、
厳かな雰囲気がのある花言葉がつけられています。どれもユリの可憐な様子や、純白な色合いからヒントを得てつけられた花言葉です。
特に「純潔」「無垢」といった花言葉は、白い百合が聖母マリアのシンボルであることからつけられました。
マリアがキリストを授かったことを知る「受胎告知」には、天使が百合を持っている様子が描かれるのがテンプレートです。
白い百合の花言葉

白い百合の花言葉は「純潔」「無垢」「威厳」です。真っ白な色合いから連想される花言葉ですね。
ただし、白い百合を一本だけプレゼントすることは「死者に捧げる花」という意味合いを持つので注意が必要です。
白いお花をプレゼントするときは、他の花材と合わせて贈るか、花束やフラワーアレンジメントに入れてプレゼントする等の工夫が必要です!
ピンクの百合の花言葉

ピンクの百合の花言葉は「上品」「富と繁栄」「虚栄心」です。
上品という花言葉は、ピンク色の優しい色合いが女性的で美しい様子からつけられています。「虚栄心」はピンクの百合が高嶺の花に映る様子から。
「富と栄華」は、百合が古くから豊穣の象徴とされてきたことに由来する花言葉です。
黄色い百合の花言葉

黄色い百合の花言葉は「陽気」「不安」「偽り」です。ユリの黄色い色合いは発色が良く、自然の中でもとても目立ちます。
そのことから「陽気」という花言葉がつけられています。「不安」「偽り」という花言葉は、黄色い色合いが関係していて、
これは黄色がヨーロッパで不吉な意味を持つ色と考えられていることからつけられた花言葉です。
黄色はキリストを裏切ってしまったユダの着ていた服の色ですね。
赤い百合の花言葉

赤いユリの花言葉は「虚栄心」です。この花言葉がつけられている理由は、イエス・キリストに由来しています。
キリストが磔刑に処される時、多くの花々がキリストの姿を見ることができなくなって、首を下に向けました。
しかし百合だけは自分の美しさを鑑みて、キリストを勇気づけることが出来るだろうと、頭を上げていたのだと言います。
しかしキリストが悲しそうな目で見つめ返したため、自分の驕り高ぶりに気がついた百合は赤面して首を下げました。
このことから赤いユリには「虚栄心」という花言葉がつけられているのです。
オレンジの百合の花言葉

オレンジの百合の花言葉は「華麗」「愉快」です。これはオレンジの明るい色合いからつけられている花言葉です。
オレンジには暖かさや明るさ、元気といったポジティブな印象を与える色です。開店祝いや開業祝いのプレゼントに良さそうですね!
また、自然に自生している百合にはオレンジの色合いのものも多く、野山にパッと華やかに咲いているので、そのことから「華麗」という花言葉がつけられています。
百合の種類で花言葉は変わる?

百合にはたくさんの品種があります。特に日本の自生する百合は、なんと15種類も!
こちらでは一般的にお花屋さんや園芸店で出回りのある百合を中心に、それぞれの花言葉について解説をしてみたいと思います。
プレゼントの参考になるかと思いますので、ぜひお役立てくださいませ。
テッポウユリの花言葉

テッポウユリは銃のように前に突き出すような花の形が特徴的な百合です。日本が原産の百合で、九州〜沖縄に自生しています。
テッポウユリの根っこは百合根と呼ばれて、京料理などに使用される伝統的な食材です。食べたことがあるひとも多いのではないでしょうか?
そんなテッポウユリの花言葉は「純潔」「威厳」「甘美」。白い百合が聖母マリアの純潔を象徴することから名付けられた花言葉です。
スカシユリの花言葉

スカシユリはオレンジ色が特徴の百合で、日本が原産です。中部地方より上に自生していて、海岸や崖などで育ちます。
百合はその甘い芳香が特徴的なのですが、このスカシユリは香りがないのが特徴です。
スカシユリの花言葉は「注目を浴びる」「飾らぬ美」「神秘的な美」「偽り」です。スカシユリは上向きに咲く特徴がありますから、「注目を浴びる」という花言葉がつけられています。
カサブランカの花言葉

別名、ユリの女王とも呼ばれるお花です。渾名通りの美しさと、強い香りが特徴です。
百合の中でも特段大きい花姿を持っていて、ホテルなどのフォーマルな場所で使用されることの多いお花です。
カサブランカの花言葉は「純粋」「祝福」「甘美」「壮大な美しさ」「威厳」「無垢」「高貴」「雄大な愛」。たくさんの花言葉がありますね。
ヒメユリの花言葉

星のような形のお花を咲かせる百合です。赤〜オレンジの色の花を咲かせ、漢方に使用されることもあるお花として知られています。
ヒメユリという名前は小さく可憐なことから名付けられました。夏に花を咲かせるので、ヒメユリの花を見ると「夏がきたな」と思いますよね。
ヒメユリの花言葉は「誇り」「高貴」「無垢」です。特に無垢という花言葉は、ヒメユリの純朴な姿から名付けられたとされています。
百合の歴史について
百合は元々日本にも自生していましたので、なんと「古事記」にもその存在が出てきます。大変歴史ある植物です。
ヨーロッパにおいては有史以前から「マドンナリリー」が栽培されており、宗教とは切っても切り離せない存在でした。 ユリの花は古代の効果や古代シリアの羽田にも描かれるなど、人類史に密接に関わっています。
薬としても使用されることが多く、皮膚病の治療薬としても使用されてきた歴史があります。
百合は最も美しい花とされ、「神聖な植物」としてローマ法王のお庭で栽培されました。ヨーロッパにとって百合は、大変親しみのある植物です。
日本における百合の歴史

日本にはたくさんの百合が自生していたため、ユリを栽培したという記録は残念ながらあまり残っていないようです。
百合を鑑賞目的にする前は食用として用いられるのが基本でした。江戸時代になると庶民が庭先で百合を育てるようになります。
明治時代になると百合の花が海外で高値で取引されることを知り、栽培が盛んになりました。
栽培技術が確率された大正時代には多くの百合が栽培されるようになったようです。
シーボルトと百合について

日本の百合をヨーロッパに持ち帰ったのは医者であるシーボルトだとされています。
シーボルトは医者でしたが、いわゆる植物マニアで、日本のさまざまな種類の植物の種や球根などを所持していました。
本国に帰る中で多くの種が腐ってしまいますが、百合の球根は無事に残り、そこからカノコユリとテッポウユリが咲きました。
それが宝石のように美しいと評価されたことから、その球根がロンドンのオークションにかけられて、一つ300万円程度で取引されたのだと言います。
その噂を聞いたヨーロッパの人たちが続々と来日し、日本から百合を大量に入手し始め「熱狂」の時代に突入していきます。
今ではテッポウユリはヨーロッパの多くの土地で栽培されるようになり、前述のマドンナリリーに取って代わる品種となりました。
おすすめのユリのフラワーギフトは?

百合はとても大きなお花です。花も傷つきやすいですし、ユリ一本をプレゼントするのは「死者への手向け」を意味するので、避けたいところ。
百合をプレゼントする際は、花束やフラワーアレンジメントなどのフラワーギフトにして贈ると良いでしょう。
ここでは百合の入ったフラワーギフトを贈るシーンについてを解説します。インパクトのあるお花ですので、晴れの日に贈るのがおすすめです。
歓送迎にピッタリの「花束」

歓送迎会に贈るプレゼントにおすすめなのが、百合の入った花束です。百合の入った花束はインパクト抜群、花束の大きさも自然と大きいものになります。
このことから写真映えし、多くの人が周囲に並んでいてもしっかりと花束が目立つように映るでしょう。同じ理由で、結婚式の両親への花束贈呈などにもおすすめです。
色合いは華やかな赤&ホワイト、それかイエロー&ホワイトがGood。百合の花束を贈って、忘れられない特別な日にしましょう。
開店祝い・開業祝いなどに「フラワーアレンジメント」

百合は大きな花を咲かせます。フラワーアレンジメントの中に入れると多くの人の目を引く、パンチのある仕上がりに。
開店祝いや開業祝いといった新しい門出の日にはぜひユリの入ったフラワーアレンジメントをお贈りください。初めてそのお店を訪れたお客さんの印象に残るはずです。
贈る際はメッセージカードを添えて、エールを送りましょう!色は黄色やピンクなど、華やかな色合いがおすすめです。
まとめ

百合の花言葉は「純潔」「無垢」「威厳」「洗練された美」「高貴な品性」「愛らしさ」「愛の告白」「無邪気」。
聖母マリアの花として知られていることから、厳かな花言葉がつけられています。どんなシーンにでも贈れるお花です。
百合はお花も大きくて、色も綺麗。大切な方へのプレゼントにピッタリ。ただ、一本だけ贈ると「死者を追悼する」という意味になるので、要注意。晴れの日に贈る場合は必ずフラワーアレンジメントか花束にしてプレゼントしましょう!
Feb 26, 2025