お中元をもらったお返しの基本マナー講座

お中元をもらったお返しの基本マナー講座
「お中元をいただいたら、お返しは必要なの?」「お返しの品物は何を選べばいいんだろう?」
夏が近づき、お中元を受け取る時期になると、そんな疑問や不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
お中元へのお礼は、単なる形式ではありません。日頃の感謝の気持ちを伝え、今後も良好な関係を築いていきたいという願いを込めた、大切なマナーです。
この記事では、お中元をいただいた際の「お返し」に関する基本的な知識から、品物の選び方、贈る時期、お礼状の書き方、よくある疑問まで、お花のプロが分かりやすく解説します。
これを読めば、お中元のお返しに関するあらゆる疑問が解消され、自信を持って感謝の気持ちを伝えられるはずですよ。
お中元のお返しを考える前に知っておきたい基本

お中元のお返しについて考える前に、まずはその基本的な意味とマナーを押さえておきましょう。
お中元の意味と由来

お中元は、日頃お世話になっている方へ、感謝の気持ちと夏の健康を気遣う心を伝える贈り物です。
元々は、ご先祖様へのお供えや盆礼に由来し、地域社会での相互扶助の精神が根底にありました。
形式的なものと思われがちですが、根底には人と人との温かい繋がりを大切にする意味が込められています。
お返しが必要な場合と不要な場合

お中元は「お返し」を目的とした贈り物ではないため、実は基本的にお返しは「不要」とされています。
ただし、お礼状(または電話)は、お中元を受け取ったら必ず送るべきものです。
品物で「お返し」をするのは、いただいたお中元への「同等の感謝」を示すとともに、「今後も変わらぬお付き合いを続けたい」という明確な意思表示。
特に、目上の方から高価なお中元をいただいた場合や、今後も継続してお世話になる関係性であれば、丁寧なお礼状に加えて、品物でお返しを検討する方がより丁寧な印象になります。
※「内祝い」は慶事(出産や新築など)のお祝いへのお礼として贈るもので、お中元のお返しとは違うため混同しないようにしましょう。
お返しをする際の基本的なマナー

お礼状を先に送る
品物でお返しをする場合でも、まずはお礼状や電話で、いただいたことへの感謝を伝えるのが最優先です。品物が届く前に、先に気持ちを伝えましょう。
いただいた品物より高価なものは贈らない
相手に「余計な気遣いをさせてしまった」と思わせてしまう可能性があるため、いただいた品物と同等か、それより少し控えめな金額の品物を選びましょう。
「お返し」ではなく「お礼」という気持ちで贈る
義務感からではなく、「感謝の気持ちを伝えたい」という前向きな気持ちで贈り物を選びましょう。
お返しの品物を選ぶ際のポイント

お返しの品物を選ぶ際は、以下の点を意識すると良いでしょう。
金額の目安は?
いただいた品物の金額の半分から同程度が目安とされています(「半返し〜同額返し」)。
相手に合わせる
相手の好みや家族構成、ライフスタイルを考慮しましょう。
お子さんがいる家庭ならお菓子、ご夫婦ならペアの品、一人暮らしの方なら日持ちする個包装の品など、状況に合わせて選ぶのがポイントです。
最近はフラワーアレンジメントや花束などのお花のギフトが人気です。
「消え物」が好まれる
食品や飲料、石鹸、洗剤などの「消え物」は、後に残らず相手に負担をかけないため、お返しとして非常に人気があります。
お花も「消え物」でありながら、空間を彩り、癒やしを届ける特別な贈り物です。お中元の時期に購入される方も多くなってきました。
次項で詳しく解説しますが、お返しにも大変おすすめですよ。
相手別のお返しの考え方

お返しの考え方は、贈る相手との関係性によっても変わります。
親戚や目上の方へのお返し
基本はお礼状ですが、品物でお返しをする場合は、丁寧な品を選びましょう。金額も半返し〜同額返しを意識します。
友人や同僚へのお返し
比較的カジュアルな品物でも大丈夫な場合が多いです。
お礼状と合わせて、ちょっとした手土産を渡す、食事をご馳走するなど、形式にこだわらないお礼も喜ばれます。
取引先へのお返し
会社の規定を確認し、お礼状を迅速に送ることが重要です。
品物でお返しをする場合は、担当者宛てではなく、会社全体で消費できるものを選ぶのが一般的です。
お中元のお返しに最適な品物とは?

具体的にどんな品物がお中元のお返しにおすすめなのか、見ていきましょう。
お中元のお返しとして人気のある品物

食品
ジュース、コーヒー、紅茶、そうめん、ゼリー、クッキーなど、日持ちがして消費しやすいものが定番です。
相手の食の好みが分かれば、より喜ばれるでしょう。
タオル・洗剤
日常的に使う消耗品は、実用的で誰にでも喜ばれやすい贈り物です。
特に、上質で肌触りの良いタオルセットなどは、特別感があります。
心に残る特別なお返しに「お花」が大人気!

私たちお花屋さんとして、お中元のお返しにはお花が特におすすめです。その理由はこちらです。
「消え物」であり、相手に気を遣わせない
食品と同じく、鑑賞期間が終われば形がなくなるため、相手に負担をかけません。
空間を華やかにし、癒やしを届けられる
部屋にお花があるだけで、心が和み、明るい気持ちになります。夏の暑い時期だからこそ、涼やかで美しいお花は、心身の癒やしとなるでしょう。
おすすめは季節感を届けられる夏らしい涼しげな花束やアレンジメント
ブルー系やホワイト系の花材を使ったアレンジメントは、見た目にも清涼感があり、お中元のお返しにぴったりです。
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ギフト券や商品券はお返しに適している?

ギフト券や商品券は、相手が好きなものを選べるという利点があります。
しかし、相手によっては現金と同様に捉えられ、「お返し」としては少々味気なく、失礼にあたる場合もあります。
親しい関係性で、相手が特定の贈り物を強く希望していることが分かっている場合以外は、避けるのが無難でしょう。
相手の好みをリサーチする方法は?

相手の好みが分からない場合は、SNSでの発信や、共通の知人にさりげなく相談してみるのも一つの方法です。
迷った時は、「消え物」という原則に戻り、誰もが使いやすい、食べやすいものを選ぶのが無難です。
好みがわからない場合にも、お花のギフトは選ばれています。その際、お相手が花瓶を持っているかどうかがわからないため、アレンジメントを贈る方が多い傾向にあります。
避けた方が良いお返し品

刃物
「縁を切る」という意味合いがあるため、お返しに限らず贈り物全般で避けるべきとされています。
履物・靴下
「相手を踏みつける」という意味合いがあるため、特に目上の方への贈り物には不向きです。
現金
目上の方には失礼にあたる場合があります。
高価すぎるもの
いただいた品物より高価すぎるものを贈ると、相手に気を遣わせてしまうため避けましょう。
その点お花のお返しは金額感が誤魔化されて見えるため、よく選ばれています。
お中元のお返しの時期とタイミング

お中元のお返しは、贈る時期が非常に重要です。適切なタイミングで感謝の気持ちを伝えましょう。
お返しを贈る最適な時期

もしお返しをする場合は、お中元をいただいてから、1週間〜10日以内がお返しを贈る目安です。
遅くとも、お中元の時期である7月末(西日本は8月中旬)までには贈るのが理想的です。
何よりも大切なのは、品物を送る前に、まずはお礼状(電話でも可)で、お中元をいただいたことへの感謝を伝えることです。
品物は後日でもOKですので、まずはお礼の連絡を最優先しましょう。
お返しのタイミングが過ぎた場合の対処法

もし、うっかりお返しのタイミングが過ぎてしまっても、ご安心ください。表書きを変えることで、失礼なく贈り物を贈ることができます。
暑中見舞い
お中元の時期を過ぎた7月16日(東日本)または8月16日(西日本)〜立秋(今年は8月7日頃)までに贈る場合。表書きは「暑中御見舞」とします。
残暑見舞い
立秋を過ぎてから8月末(遅くとも9月初旬頃)までに贈る場合。表書きは「残暑御見舞」とします。
時期が遅れたことへのお詫びの一文を添えると、より丁寧な印象になります。
お中元お返しの時期で気をつけること

相手のお中元が届く前に贈らない
相手にお中元が届いていないうちにお返しを贈ってしまうと、「催促した」と誤解される可能性があるため注意が必要です。
夏場の配送
食品や生花を贈る場合は、夏場の高温による傷みを避けるため、クール便や温度管理ができる配送サービスを検討しましょう。
お礼状を書く場合の注意点

手書きが望ましい
感謝の気持ちがより伝わるため、可能な限り手書きで書きましょう。
内容
いただいた品物への感謝、相手の健康を気遣う言葉、今後も変わらぬお付き合いを願う言葉を入れるのが基本です。
時候の挨拶も忘れずに加えましょう。
お中元のお返しを送る際の包装と配送

お返しの品物は、渡し方や包装にもマナーがあります。
細部まで気を配ることで、あなたの感謝の気持ちがより丁寧に伝わります。
のし紙の選び方と書き方

一般的にお返しの場合にはのし紙等をつける事は少なくなってきましたが、もし気になる場合はギフト店などでつけてもらいましょう。
表書き
もしのし紙をつける場合は、一般的に「御礼」とします。
時期を過ぎてしまった場合は「暑中御見舞」「残暑御見舞」とすることもあります。
水引
紅白の蝶結びを選びましょう。蝶結びは「何度でも繰り返したいお祝い事」に使うため、お中元のお返しに適しています。
名入れ
水引の下には、贈り主の氏名を記載します。
「内のし」と「外のし」
内のし: 品物に直接のし紙をかけ、その上から包装紙で包む方法です。控えめな印象を与えたい場合や、郵送で送る際にのし紙が汚れないようにしたい場合におすすめです。
外のし: 包装紙の上からのし紙をかける方法です。贈り物を強調したい場合や、手渡しする際に適しています。お返しの場合は「控えめに」という意味で内のしを選ぶのが一般的です。
包装する際のマナーとコツ

贈り物は、丁寧に包むことで感謝の気持ちが伝わります。
もしご自分で品物を用意する場合は、品物に合わせて適切なサイズの包装紙を選び、丁寧に包みましょう。
&YOUKAENでは商品にあったサイズのラッピングをサービスで承っております。
配送時に気をつけるポイント

夏場の対策
食品や生花を配送する際は、夏場は特にクール便や、温度・湿度管理ができる配送サービスを利用しましょう。
&YOUKAENではフレッシュな状態でお花が届くよう、クール便を使用してお届けしています。
日時指定
相手が確実に受け取れるよう、事前に都合の良い日時を確認し、日時指定をして送りましょう。
送り主の明記
伝票には、誰からの贈り物か明確に分かるように、あなたの名前を記載しましょう。
遠方の相手へのお中元お返しの送り方

遠方にお住まいの方へお返しを贈る場合は、オンラインショップの利用が非常に便利です。
直接会えない分、メッセージカードには感謝の言葉や、近況を気遣う一言を添えると、より心が伝わるでしょう。
直接渡す場合のお渡しの方法

直接お返しを持参する場合は、風呂敷などに包んで持っていくのが丁寧です。
相手に渡す際は、簡単な挨拶とともに、「先日、素敵なお中元をありがとうございました。ささやかですが、お礼の気持ちです。」など、感謝の言葉を添えて、さりげなく渡すのがコツです。
相手に恐縮させすぎないよう配慮しましょう。
お花などの包みにくいものの場合は、届いたラッピングそのままでお持ちいただいてOKですよ。
お中元のお返しに関するQ&A

お中元のお返しについて、よくある疑問にお答えします。
会社同士のお中元のお返しの注意点

会社によっては、お返しが不要という規定や、金額の上限が設けられている場合があります。
まずは会社の総務部などに確認しましょう。基本的には、お礼状を担当者宛てに迅速に送るのが最優先です。
品物でお返しをする場合は、個人的な贈り物と混同しないよう、会社全体で消費できるお菓子やコーヒーなどが適していますが、
最近ではお花をお贈りする企業さんも多いようです。
一度に多くのお中元を受け取った場合の対応

一度に多くの方からお中元をいただいた場合でも、まずはお礼状を迅速に送ることが大切です。
全員に品物でお返しするのが難しい場合は、丁寧なお礼状のみとする選択肢も考えられます。
品物を贈る場合は、「半返し」にこだわりすぎず、相手に負担をかけない金額で統一するのも一案です。
交友が浅い相手へのお返しルール

交友が浅い相手からお中元をいただいた場合、基本的にはお礼状のみで十分です。
どうしても品物でお返しをしたい場合は、金額を控えめにするか、相手に気を遣わせない「消え物」を選ぶのが無難でしょう。
家族としてのお中元お返しの考え方

親族間では、お中元やお歳暮のお返しをしない慣習がある場合も多いです。
まずは親御さんや親戚の方に確認してみるのが一番です。
お返しをする場合でも、堅苦しくせず、実用的な品物や、家族みんなで楽しめるお菓子などを贈るのがおすすめです。
お中元とお歳暮の違いとお返し方法

お中元とお歳暮は、贈る時期と目的が違う贈り物ですが、お返しのマナーはほぼ共通です。
いただいたお中元のお返しをお歳暮として贈ることは、特にマナー違反ではありません。
しかし、やはりいただいたお中元に対しては、できるだけお中元の時期(または暑中見舞い/残暑見舞いの時期)にお返しをする方が、より丁寧な印象を与えます。
まとめ

お中元のお返しは、お礼状が基本ですが、品物を贈る場合は、適切な時期とマナーを守り、相手への感謝と気遣いを伝えることが何よりも大切です。
お中元のお返しは、単なる形式ではなく、日頃の感謝を伝え、大切な人間関係を深めるための貴重な機会です。
ぜひ一度、&YOUKAENの「サマーギフト」カテゴリーや、そのほかスタッフおすすめのお花のラインナップをご覧になってみてください!
最適な贈り物がきっと見つかるはずですよ。
Jul 09, 2025