松の花言葉とその意味を詳しく解説

松の花言葉とその意味を詳しく解説
お正月の門松、能の舞台、お祝いの席の掛け軸…。「松」は、日本のあらゆる「ハレ」の場面に登場する、最も神聖な植物の一つです。
その花言葉は「不老長寿」や「勇敢」。 なぜ松は、これほどまでにおめでたく、力強い意味を持つのでしょうか?
この記事を読めば、「松の花言葉」の深い意味から、松と日本の神道、お正月との切っても切れない関係、さらには世界における松の象徴的な意味まで、その奥深い世界のすべてがわかります。
&YOUKAENのフローリストが、日本の精神文化の根幹とも言える「松」の魅力を徹底的に解説します。最後にはお正月におすすめのアイテムも紹介させていただきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
松の基本情報

まず、松がどのような植物なのか、基本的な情報を押さえておきましょう。
松ってどんな植物?
| 植物名 | 松 |
| 学名 |
Pinus |
| 科名 | マツ科 |
| 属名 | マツ属 |
| 原産地 | 北半球 |
松は、マツ科マツ属の常緑針葉樹です。
岩場や風の強い海岸線、痩せた土地など、他の植物が育ちにくい厳しい環境でも力強く根を張り、一年中青々とした葉を茂らせる、非常に生命力の強い木です。
松の名前の由来
松の名前の由来には、日本の精神文化と結びついた説が数多くあります。
・神様が天から降りてくるのを「待つ(まつ)」木であるという説
・冬でも緑を「保つ(たもつ)」木であるからという説
・神様に仕える「奉る(たてまつる)」木であるという説
どの説も、松が古くから人々にとって特別な存在であったことを示しています。
松は英語でなんという?
松は英語で「Pine tree(パイン・ツリー)」と呼ばれます。
ちなみに、果物の「パイナップル(Pineapple)」は、その形が「松ぼっくり(Pine cone)」に似ていたことから名付けられたという豆知識もあります。
松の花言葉を知ろう

それでは、本題である「松の花言葉」を見ていきましょう。
(※厳密には松は花びらのある「花」を咲かせませんが、松ぼっくりや雄花・雌花などを含む植物全体に対して花言葉がつけられています。)
「不老長寿」「永遠の若さ」
松の花言葉として最も有名なのが、この2つです。
これは、松が「常緑樹(Evergreen)」であることに由来します。
他の多くの木々が葉を落とす厳しい冬でさえ、松は常に青々とした葉を保ち続けます。その姿が、変わることのない「永遠の若さ」や「不老長寿」の象徴とされました。
「勇敢」
この花言葉も、松の生態的な特徴に由来します。
前述の通り、松は風の強い海岸や岩だらけの山肌など、過酷な環境でも堂々と根を張り、その姿を保ちます。風雪に耐え、雄々しく立つ姿が「勇敢」という花言葉に繋がりました。
「同情」「哀れみ」
この花言葉は、主に西洋(英語)の花言葉である「Pity」の直訳です。
日本ではあまり馴染みがありませんが、西洋文化では、荒々しい樹皮の様子や、風が松林を吹き抜ける「ヒュー」という物寂しげな音から、このような花言葉が連想されたと言われています。
日本の「不老長寿」というおめでたいイメージとは異なる、文化的な違いが表れていて興味深いですね。
松の歴史について

松の花言葉の背景には、日本の歴史と文化が深く関わっています。
松は古くから日本に自生していた木
松は、縄文時代から日本人の生活のそばにありました。燃料や建材、時には実(松の実)を食用にするなど、生活に欠かせない木でした。
神道と松
古来の神道(アニミズム)において、松は「神様が宿る木」「神様が天から降りてくる目印(依り代・よりしろ)」として、信仰の対象とされてきました。
一年中枯れない「常緑」であることは、神様の「永遠の力」の象徴そのものだったのです。
平安時代には文学にも登場
『万葉集』や『古今和歌集』では、松は「長寿」や「変わらない心」の象徴として数多く詠まれました。
夫婦が末長く連れ添うことを「高砂の松」に例えるなど、おめでたいイメージがこの頃から定着しています。
庭園文化や絵画や装飾にも使用されるモチーフ
松は、日本庭園において「主木(しゅぼく)」として最も重要な役割を与えられました。
また、おめでたい「松竹梅」や、長寿の象徴「鶴と松」など、吉祥文様(縁起の良いデザイン)の最高位として、能舞台の背景(鏡板)や着物、陶器など、あらゆる芸術や装飾のモチーフとして愛されてきました。
現代では縁起木や街路樹、防風林として
その神聖なイメージと生命力の強さから、現代でも変わらず、神社の境内や家々の庭で縁起木として大切にされ、街路樹や防風林としても私たちの生活を守っています。
松とお正月について

松の花言葉や歴史を知る上で、最も重要なのが「お正月」との関係です。
古代の「年神様(としがみさま)」信仰
まず、お正月とは何か?
それは、新しい年の五穀豊穣や家族の健康・幸福をもたらす「年神様(としがみさま)」を、各家庭にお迎えする神聖な行事です。
『延喜式』(平安時代)にも松を立てる記録があり、すでに1000年以上の伝統があります。
松が依代に選ばれる理由
年神様は、空の高い所から私たちの家々へと降りてくると信じられていました。
その際、神様が迷わず降りてくるための「目印」が必要でした。 それが「松」だったのです。
なぜ松が選ばれたのかというと……
1.神聖さ: 「常緑」で一年中青々とし、生命力にあふれ、神様が宿るのにふさわしい神聖な木だから。
2.言葉: 「マツ」という音が、神様を「待つ(マツ)」に通じるから。
この2つの理由から、松は年神様をお迎えするための、最も重要で神聖な「アンテナ(依り代)」とされたのです。
松と正月行事との関わり
この、年神様をお迎えするための「依り代」としての松が、現代の「門松」の起源です。
お正月に家の門の前に門松を立てることは、「年神様、我が家はこちらです。清めてお待ちしておりますので、どうぞお越しください」という、神様への歓迎のサインなのです。
通常、12月28日ごろに立て、1月7日(地域により15日)まで飾ります。この期間を「松の内」と呼びます。
また、門松の他にも、玄関や神棚に小さな松を飾る習慣があります。これも同じく神様を迎えるための「依代(よりしろ)」です。
世界の松について

「松」を神聖視するのは、日本だけではありません。世界各地の文化でも、松は特別な意味を持つ植物とされてきました。
中国では「長寿」「節義」「不変」の象徴
・不老長寿の象徴: 仙人が松の実を食べて不老不死になったという伝説(仙道思想)が数多く残っています。
・儒教的な「節義」の象徴: 「歳寒三友(さいかんのさんゆう)=松・竹・梅」の一つとされ、厳しい冬にも屈しない松の姿を、逆境に屈しない君子(理想の人物)の象徴としました。
・芸術と詩のモチーフにも: 水墨画や漢詩において、松は気高さや不変の象徴として最高の画題とされています。
韓国では「忠誠」「貞節」「守り」の象徴
・王朝と国家の象徴: 韓国の国歌(愛国歌)にも「南山の松」が登場するなど、国家の不変の象徴とされています。
・貞節と一途な心の象徴: 変わらない緑が、一途な心(貞節)の象徴とされました。
・民画・工芸・刺繍の定番モチーフ: 縁起の良い吉祥のモチーフとして、今も広く愛されています。
ヨーロッパでは「再生」「永遠」「不滅」の象徴
・キリスト教以前は生命と再生の木: ヨーロッパでも、冬でも枯れない松は「生命力」の象徴でした。冬至祭(Yule)などで、冬の闇に打ち勝つ「再生」と「永遠」のシンボルとして神聖視され、これがクリスマスツリーの原型の一つとも言われています。
・キリスト教との融合: キリストの「永遠の命」や「不滅」の象徴として、クリスマスの装飾に取り入れられました。
・北欧の神話にも登場: 神々が宿る聖なる木として、神話にも登場します。
&YOUKAENでは松を使用した正月飾りを販売中!

これほどまでに日本、そして世界で神聖視されてきた「松」。
特に日本では、新年の「年神様をお迎えする」という、お正月になくてはならない存在です。
&YOUKAENでは、この最も縁起の良い「松」を使い、プロのフローリストが現代の暮らしに合わせてデザインした、特別なお正月飾りをご用意しています。
大王松(ダイオウショウ)を使用した正月飾り
特におすすめしたいのが、「大王松(ダイオウショウ)」を使ったお正月飾りです。
・大王松とは?「松の王様」と呼ばれるにふさわしく、非常に長く立派な葉を持つのが特徴です。一般的な松(赤松や黒松)の葉が2本(二葉松)なのに対し、大王松は3本の葉(三葉松)を持ち、その姿には「権威」「王者の風格」が漂います。
・縁起の良さその長い葉が「福をかき集める」「幸運を長く保つ」とされ、縁起物の中でも特に重宝されます。
・&YOUKAENのこだわり この記事で解説した「年神様をお迎えする」というお正月の本来の意味を大切に、最高品質の大王松を使い、現代のインテリアにも合うよう洗練されたデザインに仕上げました。
瑞々しい新年を迎えるお正月飾り
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まとめ

「松の花言葉」から、その奥深い世界まで、ご理解いただけたでしょうか。
1.「松の花言葉」は、「不老長寿」「勇敢」など、その常緑の姿と、厳しい環境でも育つ力強い生命力に由来。
2. 日本において松は、古来より神様が宿る「依り代」として神聖視されてきた、文化の根幹をなす植物。
3. お正月に松を飾るのは、新年の「年神様」をお迎えするための、最も重要で神聖な「目印」。
今年は、&YOUKAENの「大王松」のお飾りで、神聖な気持ちで年神様をお迎えし、素晴らしい新年を迎えてみませんか?
Nov 03, 2025
