お盆のお花、長持ちさせるには? プロが教えるメンテナンス方法

お盆のお花、長持ちさせるには? プロが教えるメンテナンス方法
お盆の時期になると、ご先祖様をお迎えするためにお花を飾ります。
心を込めて選んだお花だからこそ、「できるだけ長持ちさせたい」「すぐに枯れてしまわないか心配」と感じている方もいるのではないでしょうか。
特に夏のお盆時期は、高温多湿でお花が傷みやすい季節です。
しかし、ちょっとしたメンテナンス方法を知っていれば、お盆の花を長く美しく保つことができます。
この記事では、プロである私たちお花屋さんが、お盆のお花を長持ちさせるための秘訣をご紹介。これを読めば長くお花を飾ることができるはずですよ。
なぜお盆のお花は枯れやすい?主な原因を知ろう

「せっかく飾ったお盆の花が、すぐにしおれてしまう…」と感じたことはありませんか?
実は、お盆の花が長持ちしないのには、いくつかの明確な原因があります。
これを知っておくと、効果的なメンテナンスを行うことができますよ。
気温の高さ

お盆の時期は猛暑日となることも珍しくありません。
特に令和に入ってからは35度以上になることもしばしば。
高温になるとお花の蒸散が激しくなり、水分を失っていきます。
少しの間水を吸えないだけで直ぐにクタクタになってしまうことも。
雑菌の繁殖

花瓶や給水フォーム内の水は、時間が経つとバクテリアなどの雑菌が繁殖しやすくなります。
特に高温の状態は雑菌にとってとても適しています。食べ物でも、夏の間はリビングに放置してしまうとすぐに腐ってしまいますよね。お花も同じです。
これらの雑菌が花の茎の切り口から入り込むと、水が通る導管を詰まらせたり、茎が腐ってしまいます。
結果として、花が水を十分に吸い上げられなくなり、枯れるのが早まってしまいます。
エチレンガスの影響

意外に思われるかもしれませんが、熟した果物などから放出されるエチレンガスには、お花の老化を促進する作用があります。
お盆のお供え物として果物を飾ることも多いので、それが影響してお花を枯らしてしまうこともしばしばあります。
少し気にしておくと良いかもしれませんね。
プロが教える!お盆のお花を長持ちさせる基本の「き」

それでは、お盆のお花を長く美しく保つための具体的なメンテナンス方法を、段階を追ってご紹介します。
これらの基本をマスターすれば、お花はきっと応えてくれますよ。
お花屋さんで購入する時のチェックポイント

お花を長持ちさせるための最初のステップは、何よりも「新鮮な花を選ぶ」ことです。
お店で購入する際には以下の点をチェックしましょう。
茎の切り口が変色していないか?
茎の切り口が白っぽくみずみずしいものが新鮮です。
黒ずんでいたり、ぬめりがあったりするものは避けて選びましょう。
花びらがしっかりしているか? 傷みがないか?
花びらがピンとしていて、しゃっきりとしたものを選びましょう。
傷や変色があるものは、すぐにしおれてしまう可能性が高いです。
葉は生き生きとしているか?
葉にハリがあり、黄色く変色していないか、しおれていないか確認してください。
葉っぱの健康状態は、お花全体の鮮度を示しています。
お花がお家に届いたらすぐに行うこと

ネットショップで購入した花束や、お店で購入したお花を自宅に持ち帰ったら、飾る前にいくつかのメンテナンスを行うと良いでしょう。
夏場は特に水切り(水揚げ)を行いましょう。

夏はどんなに気をつけていてもお花が弱ってしまうもの。
ですがお花が水を吸い上げる力を最大限引き出すために水切りを行うと、夏でも結構元気に長持ちしてくれますよ。
水切りは花束の時に行うもので、フラワーアレンジメントを飾る際には行わなくてもOKです。
・ポイント1:清潔なハサミを使いましょう
雑菌の繁殖を防ぐため、ハサミはアルコールなどで消毒しておきましょう。
お花を切る用のハサミをホームセンターなどで購入しておくと、なおGoodです。
・ポイント2:水中で茎を斜めにカットしましょう
深めのバケツやボウルに水を張り、その中で茎の先端を2~3cm斜めにカットします。
こうすることで、切り口から空気が入るのを防ぎ、水を吸い上げる面積を広げられます。
・ポイント3:水揚げ促進剤や延命剤の使ってみましょう
切り花延命剤には、花の栄養剤と雑菌の繁殖を抑える成分が含まれています。
水切り後、延命剤を溶かした水にしばらく浸けておくと、さらに効果的です。
ネットショップで花束やフラワーアレンジメントを購入すると、おまけとしてついてくることもしばしばあります。
お盆の花束を花瓶に飾る前のお手入れ
痛んだ茎の部分や、痛んだ葉っぱは取り除いてから飾りましょう

他にも、花瓶の水に浸かる部分の葉は取り除きましょう。
水に浸かる葉は、腐敗して雑菌の繁殖源となり、水揚げを妨げます。
また、葉が多いと水分が蒸散しやすくなり、花が早くしおれてしまうので注意。
特に夏は気温が暑いとすぐにお花が弱ってしまいますので、攻めぎみに処理してしまってもGood。
花瓶が汚いことでお花が弱ることも…

花瓶は常に清潔に保つことが、お花を長持ちさせる上で非常に重要です。
洗剤でしっかり洗ってから花束を入れるのがGood。
特にお盆の時期はしばらく同じ花瓶にお花を入れると思いますから、丁寧に洗っておきましょう。
できればごく少量の塩素系漂白剤を薄めて洗うと、雑菌の繁殖を強力に抑えられます。
飾る場所を少し工夫するとGood

お花を飾る場所も、長持ちに大きく影響します。
・夏の間は直射日光が当たらない場所に飾りましょう!
お花は日光が苦手です。熱を受けてすぐに弱ってしまいます。
仏壇の前に日が当たるスペースがある場合は、その場所に飾るのは避けると良いでしょう。
雑菌も繁殖しやすくなるので十分に注意しましょう。
・エアコンの風が直接当たらない場所に飾りましょう!
夏は熱中症を予防するためにエアコンをつけて暮らすことが多くなりました。
エアコンの直風が当たると乾燥や急激な温度変化を引き起こし、花に負担をかけます。
・果物からはちょっと離して飾ってください。
前述の通り、お盆の御供物などの果物から出るエチレンガスはお花の老化を早めます。
ほんの少しで良いので、離して飾っておくと幾分長持ちすることもあります。
お盆のお花は気をつけなきゃいけないことでいっぱいですね。
お盆の時期に行う毎日のメンテナンス方法。さらに長く美しさを保つ秘訣は?

一度飾ったお盆のお供え花束やお供えフラワーアレンジメントも、毎日のちょっとしたお手入れで驚くほど長持ちします。
夏の水換えの頻度と方法(花束の場合)

夏に限った話ではないですが、これがお花を長持ちさせる最も基本で大切なお手入れです。
夏場は毎日、または1日2回程度の水換えを!
高温多湿のお盆の時期は、水が汚れやすく、雑菌が繁殖しやすいため、こまめな水換えが必須です。
二日に一回は花瓶も洗いましょう!
水を替えるだけでなく、花瓶の内側に付着したぬめりを洗い流し、花の茎のぬめりも優しく洗い流しましょう。
これにより雑菌の繁殖を防ぐことができ、お花が長く生き生きとします。
お供えアレンジメントの場合は毎日水を補充!
夏場は給水フォームの水分がすぐになくなってしまいます。
給水フォームは一度乾いてしまうとあまり水を吸ってくれなくなりますので、注意しましょう。
延命剤・鮮度保持剤を使うのもGood

プロも愛用する延命剤や鮮度保持剤は、お花を長持ちさせる強力な味方です。
使用することのメリットは?
延命剤や鮮度保持剤には、花が必要とする栄養分(糖分)と、水中の雑菌の繁殖を抑える成分が含まれています。
これらを使うことで、花が水から栄養を効率よく吸収し、腐敗を防ぐことができます。
ネットショップで購入した際にはおまけとして付属していますので、ぜひ使ってみてください。
花束の場合は花瓶に入れ、アレンジメントの場合は水差しに入れて延命剤入りの水を補充してあげてください。
もちろんそのまま給水フォームに入れるのでもOKです。
枯れた花や葉は取り除きましょう

夏場は枯れた部分の放置は厳禁!
しおれたり、枯れてきたりした花びらや葉をそのままにしておくと、そこから雑菌が繁殖しやすくなります。
また、枯れたお花もエチレンガスを放出しますので、他の元気なお花も弱ってしまいます。
特に夏場はお花が蒸れてすぐに痛んでしまうので、毎日仏壇に飾ったお供え花束やお供えアレンジメントを観察するようにしましょう。
まとめ

お盆に飾るお花を長持ちさせるには、毎日の丁寧な水換えや延命剤の活用が非常に大切です。
これらプロのメンテナンス方法を実践することで、故人への感謝の気持ちを込めたお花を、長く美しく飾ることができます。
&YOUKAENではお盆のお供え花を各種販売中です。プロのフローリストが一つ一つお花を手に取り、水揚げを行い、鮮度のいい花だけを使用して制作しています。
ご自宅のお供えにも、大切な方への贈り物にも選ばれている特別なフラワーギフトです。
他のお花屋さんよりも長持ちすると評判ですので、ぜひお盆には&YOUKAENのお花をお飾りください。
Jul 04, 2025