コンテンツに進む

深呼吸というご褒美

バラにおぼれる30日間、香りのバラの定期便

バラにおぼれる30日間 香りのバラの定期便 特集を見る ▶︎

十五夜とは?意味と由来を徹底解説

十五夜(お月見)を象徴する満月と秋草
十五夜(中秋の名月)を彩る満月

旧暦8月15日に月を愛で、収穫へ感謝する日本の行事が十五夜(お月見)です。
しかし、「十五夜」が一体どんな意味を持ち、どのような由来があるのか、ご存知でしょうか?
この記事では、十五夜意味・起源・伝説・風習・文学まで、お花屋さんの視点も交えながら徹底的に整理し、 今年のお月見をより豊かにする実践アイデアも紹介します。
十五夜の奥深い世界に触れ、今年のお月見をより一層特別なものにしてください。

お月見のお花特集はこちら ▶︎

十五夜の意味と起源

十五夜の意味と起源の図解
旧暦と観月の関係、十五夜=中秋の名月

十五夜は、日本の秋の風物詩として広く親しまれています。
その意味や起源を深く理解することで、お月見をもっと楽しめるようになります。
一緒にチェックしていきましょう。


十五夜とは

十五夜とは、旧暦8月15日の夜に月を鑑賞する行事のことです。
特にこの夜の月は「中秋の名月」とも呼ばれ、一年で最も美しいとされる満月を指します。
新暦では9月中旬から10月上旬にあたることが多く、毎年日付が変わるのが特徴です。
十五夜は、ただ月を眺める観月の宴だけでなく、その年の収穫に感謝を捧げる意味合いも持つ、日本の伝統的な祭事でもあります。

語源

「十五夜」という言葉は、旧暦の15日の夜を意味します。
月は新月から徐々に満ちていき、15日目に満月になると考えられていました。
なお、満月を指す言葉として、「望月(もちづき)」という別名もあります。
「望月」とは「満月を見る」という意味合いも持ち合わせています。

起源と歴史

中国の中秋節
唐の時代(7世紀~10世紀)に、月を愛でる風習として定着。古代中国では、月は豊穣・子孫繁栄・団欒の象徴とされ、家族円満を願う日でもありました。
日本(平安 → 江戸)
日本に十五夜の風習が伝わったのは、平安時代(8世紀末~12世紀末)とされています。
当初は、中国の貴族の文化を取り入れ、宮中の貴族の間で広まりました。舟を池に浮かべて月を眺めたり、月をテーマにした詩歌を詠んだりする、雅な宴として楽しまれていました。
江戸時代(17世紀~19世紀)になると、十五夜は庶民にも広まり、その意味合いも変化しました。
農耕社会だった当時の日本では、収穫期にあたる秋の満月は特別な存在。そのため、十五夜は豊作に感謝する収穫祭の意味合いが強くなっていきました。
この頃から、お月見団子やススキを供える風習が定着していったと言われています。

中秋節との違い

日本の十五夜は中国の「中秋節」が起源ですが、両者には共通点と異なる点があります。
中国の「中秋節」も旧暦8月15日に行われ、家族が集まり月餅を食べ月を愛でる盛大な祝日です。
月を愛でる文化や豊穣への感謝という点は共通していますが、月餅という独特のお菓子を食べる習慣や、家族の再会を重視する点などは中国独自の文化と言えるでしょう。

現代での十五夜の楽しみ方

現代でも、十五夜は季節の行事として多くの家庭で親しまれています。昔に比べて大規模な宴は減ったかもしれませんが、家庭でお団子やススキを飾り、月を眺める習慣は今も残っています。子供たちに伝統文化を教える良い機会でもあり、忙しい日常の中で家族や友人と月を囲み語らう貴重なひとときとして、十五夜は私たちの心に安らぎを与え続けています。

例えば、保育園や幼稚園、スーパーマーケットのワンコーナーやマンションのロビーなどでも、積極的に十五夜の飾り付けが行われます。

※今年の具体的な十五夜トピックは 「今年の十五夜はいつ?」特集をご参照ください。


十五夜や月にまつわる伝説や神話

月と兎のモチーフ
日本では月の模様=餅つき兎に見立てる伝承が有名

月とうさぎ

日本のお月見の象徴ともいえるのが、「月のうさぎ」の物語です。これは仏教説話に由来する逸話で、自己犠牲の精神を表しています。
飢えた旅人のために、猿は木の実を、狐は魚を集めたものの、うさぎは何も持っておらず、自ら火の中に飛び込み、身を焼いて旅人に捧げようとしたという物語があります。
このうさぎの崇高な行いが神様に認められ、月に昇って永遠に生きることになったと伝えられています。
月の表面の模様が、うさぎが餅つきをしているように見えるという日本の認識は、この物語に繋がっています。

かぐや姫と十五夜

日本の古典文学「竹取物語」の主人公かぐや姫は、月の世界から来た存在であり、十五夜と物語は深く結びついています。
十五夜の夜にかぐや姫が月に帰っていく場面はとっても有名ですよね。
かぐや姫は、月が持つ神秘的な力や故郷への郷愁を感じさせる物語です。


世界の月神話

月にまつわる神話や伝説は、日本だけでなく世界各地に存在します。
例えば、ギリシャ神話では月の女神アルテミスが狩猟と純潔の象徴として崇められ、インカ帝国では月の神ママ・キジャが女性や出産の守護神として信仰されていました。
文化ごとに月への捉え方や信仰は異なりますが、月が人類にとって普遍的な神秘の対象であったことを示唆しています。


十五夜の風習と楽しみ方

お月見の飾り(団子・ススキ・秋の実り)
団子・ススキ・旬の実りを清らかに供える

十五夜は、現代でも手軽に楽しめる伝統行事です。家族や友人と一緒に、心豊かなお月見を体験してみませんか?

お月見の習慣について

十五夜のメインの習慣は、月を眺める「観月」です。
月の見える場所にお供え物を飾り、月に感謝を捧げることが一般的です。
十五夜は特に重要ですが、旧暦9月13日の十三夜(後の月)や、旧暦10月10日の十日夜(とおかんや)お月見をする風習があります。
十三夜は「栗名月」「豆名月」とも呼ばれ、栗や豆を供える習慣があります。


お月見団子の意味

お月見団子は、十五夜に欠かせない供え物です。
丸い形は満月を象徴しており、収穫への感謝と、健康や幸福を願う意味が込められています。
積む個数にも意味があり、十五夜なので15個積むのが基本とされています。
ピラミッド型に積むのは、月に向かって感謝の気持ちを伝えるためや、豊穣を願う形だと考えられています。

詳細は専門記事 「月見団子の意味・飾り方」へ。

お月見の準備(かんたん手順)

  1. 供え物を用意:お月見団子の他に、ススキ、里芋、柿、ぶどうなど、その季節の旬の作物を用意します。
  2. 飾り付け:月の見える窓辺や縁側などに、清めたお供え物を並べます。
  3. 灯り:和紙灯りやキャンドルで雰囲気づくり。

お月見の観月

  1. 月をゆっくりと眺める:十五夜は都会の喧騒を忘れ、静かに月の美しさを堪能する絶好の機会です。
  2. 家族や友人と語らう:お供え物を囲み、月を見ながら会話を楽しむことで、絆を深められます。
  3. 秋の味覚を味わう:お月見団子や旬の果物、お茶などをいただきながら月を眺めるのは格別です。

各地の行事

  • 芋名月:十五夜の別名で、お団子の代わりに里芋を供える風習が強く残っている地域ではこのように呼ばれます。里芋が豊作を象徴する作物だったためです。
  • 豆名月:十三夜の別名で、枝豆や大豆を供える風習があるためそのように呼ばれます。
  • お月見泥棒:子供たちが十五夜の夜に家々を回ってお供え物を「盗んで」いく風習があります。盗むといっても許される特別な日で、神様のお下がりをいただく意味合いが込められています。

文学・芸術に見る十五夜

文学に詠まれた名月のイメージ
和歌・俳句から近代文学・音楽まで月は普遍のモチーフ

十五夜の月は、古くから日本の文学や芸術のインスピレーションとなってきました。


和歌・俳句で詠まれ続けた月

月は、古くから和歌や俳句の主要なテーマであり、特に秋の月は詩情を掻き立てる存在でした。
多くの歌人や俳人が、月の美しさやそこに寄せる心情を詠んできました。

・「藍色の 海の上なり 須磨の月 」:正岡子規の有名な俳句です。須磨の保養院で療養していた時に詠まれたと言われています。月の美しさを感じられますね。
・「名月や池をめぐりて夜もすがら」:芭蕉の句で、名月の夜に池の周りを歩き続ける様子が描かれており、月への深い愛着が感じられます。

平安文学に見られる十五夜

源氏物語や枕草子など、平安時代の文学作品にも十五夜の描写が豊富に見られます。
貴族たちが月を愛でる雅な生活や、月に寄せる繊細な心情が詳細に描かれており、当時の十五夜の様子を垣間見ることができます。

月をテーマにした文学作品

現代に至るまで、月や十五夜は様々な文学作品や絵画、音楽のモチーフとして使われてきました。

  • 『竹取物語』(日本 作者不詳、平安時代)— んなご存じ「かぐや姫」です。日本最古の物語とされる作品で、かぐや姫が月からやってきて、最後には月に帰っていくという、月の世界と人間界が交錯する幻想的な物語です。月の美しさや、そこへの憧れ、そして別れの悲しみが描かれています。
  • 『真夏の夜の夢』 (ウィリアム・シェイクスピア、イギリス、16世紀末)— 妖精の王オベロンと女王タイターニアが登場する幻想的な喜劇です。月の光が、魔法や夢の世界、そして登場人物たちの恋の錯乱を演出する重要な要素として描かれています。
  • 『夜のガスパール』 (アロイジウス・ベルトラン、フランス、19世紀)— 散文詩集で、月が不気味さや幻想的な雰囲気を醸し出すモチーフとして頻繁に登場します。この詩集からインスピレーションを得た、ラヴェルのピアノ組曲が特に有名ですね。

&YOUKAENでは十五夜に飾るススキを販売中

十五夜の飾りに最適なススキ束
魔除け・豊穣祈願の意味を持つススキ

&YOUKAENでは十五夜のお月見に欠かせないススキを販売しております。

高品質なススキを厳選し、皆さまが手軽に購入できるようオンラインストアにてご用意。ご自宅の十五夜の飾り付けはもちろん、大切な方への季節の贈り物としても最適です。魔除けや豊作祈願といった意味を添えて贈ることで、より一層気持ちが伝わるでしょう。お店のディスプレイにも大変おすすめです。

秋の「ススキ」10本花束 高さ70cm
秋の「ススキ」10本花束 高さ70cm
¥5,500-

商品ページをみる ▶︎


まとめ

十五夜のしめくくり
月に感謝し、実りに感謝する静かな夜

十五夜は、単なる暦の一日ではありません。
古代からの月への感謝と畏敬の念が込められ、時代を超えて受け継がれてきた、日本の美しい伝統文化です。
お月見団子ススキを飾ることで、昔ながらの風習を現代に感じられる貴重な機会となるでしょう。
十五夜の意味や由来を知ることで、今年のお月見はより一層奥深いものになるはずです。

私たち&YOUKAENでは、皆さまが楽しい十五夜をお過ごしいただけるよう、高品質なススキをはじめ、秋の季節を彩る様々なお花をご用意しております。
十五夜の飾り付けに欠かせないススキを手軽にお求めいただけるよう、オンラインストアを覗いてみてくださいね。
専門フローリストが、皆さまのお月見の準備をお手伝いさせていただきます。
今年の十五夜は、満月の下で日本の美意識と歴史を感じ、心豊かなひとときをお過ごしください。

お月見のお花特集はこちら ▶︎

過去の記事
新しい記事

もっと読む

《バラにおぼれる30日間 -la dolce vita》#2 秋バラの定義と魅力

2025年9月19日

秋バラとは?二度咲きを楽しむ「もうひとつの旬」 バラには、一年に二度の旬があることをご存じでしょうか。一度目は春。そして二度目に訪れるのが「秋」です。秋バラとは、夏を越えて9月から11月に咲くバラのこと。気温が下がり、朝晩の寒暖差が大きくなることで花はゆっくりと開き、花色はより濃く深まり、香りも一層豊かになります。サイズは小ぶりながら花持ちがよく、凝縮された美しさをもつのも特徴です。華やかでゴージャスな春バラに対して、秋バラはシックで香り高く、大人の魅力をまとっています。

《バラにおぼれる30日間 -la dolce vita》#1 贅沢な深呼吸をお届けする保科バラ園の定期便

2025年9月18日

  秋、それは四季の中で最も芳醇な季節。 夏の喧騒が遠のき、澄んだ空気が流れ込む秋。朝の逆光に、秋バラの香りがふわりとほどけていく──。 あなたにとって秋といえば、何を思い浮かべますか。芸術の秋、スポーツの秋、食欲の秋。そして、...

《Beyond HIMAWARI ─ 黄色だけが、ひまわりじゃない》#06 【検証】ひまわり「ダージリン」は何日持つ?驚きの鮮度持続力をレビュー

2025年8月13日

夏の花束は、すぐに枯れてしまう──そんな印象は本当でしょうか。もし2週間近く凛とした美しさを保てたなら?今回はBeyond HIMAWARIの象徴、赤茶色の大人のひまわり「ダージリン」の鮮度を、暮らしに即した条件で検証しました。 夏...

《Beyond HIMAWARI ─ 黄色だけが、ひまわりじゃない》 #05 ドライでも美しい。「ダージリン」の花束は、夏の余韻まで贈れるギフト

2025年8月9日

《Beyond HIMAWARI ─ 黄色だけが、ひまわりじゃない》#04 ドライでも美しい。「ダージリン」の花束は、夏の余韻まで贈れるギフト 「夏の花はすぐ枯れてしまう」──そんな印象、ありませんか? 暑さや、室内と外との気温差...

《Beyond HIMAWARI ─ 黄色だけが、ひまわりじゃない》#04 ひまわりの“固定概念”を変えた。ダージリン誕生の舞台裏。名前が語る、花の物語。vol.2

2025年8月8日

ひまわり「ダージリン」という名がもたらす色・空気・余韻。その誕生背景と、名前に込められた物語を追います。 ダージリン──その響きから、どんな花を想像しますか? 上質な紅茶を思わせる深み。固定概念を覆す“大人のひまわり”。 ...

《Beyond HIMAWARI ─ 黄色だけが、ひまわりじゃない》#04 ひまわりの“固定概念”を変えた。ダージリン誕生の舞台裏 vol.1

2025年8月7日

《Beyond HIMAWARI ─ 黄色だけが、ひまわりじゃない》#04ひまわりの“固定概念”を変えた。ダージリン誕生の舞台裏 vol.1 「こんなひまわり、見たことない。」その理由をたどる旅へ 「ひまわり=黄色」──そんなイメ...
Close (esc)

お正月商品情報

&YOUKAEN からのお年玉

"お正月全商品5%OFF"

注文の受付は12月29日(日)15:00まで
お届けは〜12月30日(月)となります。

お正月ギフトはコチラ

Age verification

By clicking enter you are verifying that you are old enough to consume alcohol.

検索

カートに追加しました