クリスマス商品ができるまで 企画のこだわりと背景《2025 Christmas Poler Night》#2
おくだけで北欧の食卓が広がる──そんな今年のクリスマスアレンジメント。
前回のブログでは2025年クリスマスのコンセプトをご紹介しました。まだお読みでない方は、ぜひそちらもご覧ください(前回の記事へ)。今回は、どうして北欧?どうしてデンマーク?という問いに沿って、企画ができるまでの道のりをお伝えします。
「Poler Night」の始まり
実は最初からデンマークに決めていたわけではありません。
きっかけは、一昨年から続く&YOUKAENのテーマ「Nordic Decoration」。そこに“今年のクリスマス”をどう添えるかを考えたとき、私たちはある課題に向き合いました。
「年末はイベントが多すぎて、準備が追いつかない!」──お客様から寄せられるそんな声が、企画の出発点になりました。
仕事、忘年会、帰省、大掃除、家族の予定…。12月は本当に慌ただしい季節です。だからこそ私たちは、「置くだけで完成する」クリスマスアイテムを目指しました。
北欧デザインは高いインテリア性と“暮らしに馴染む”デザインが特徴。飾るだけで整う美しさは、忙しい季節に寄り添うテーマとして最適でした。さらに今年は、北欧の中でもデンマークに注目。そこに根付く「Hygge(ヒュッゲ)」という考え方が、私たちの想いにぴたりと重なったのです。
Hygge(ヒュッゲ)という、あたたかい価値観

ヒュッゲとは「心地よい時間」「居心地のよい空間」を意味するデンマークの言葉です。一見、穏やかな響きですが、その背景には日照時間が短く、深い暗闇に包まれる長く厳しい冬を乗り越えてきた経験があります。
暗い季節には家の中で過ごす時間が長くなります。そこで灯りをともして家族と語らう――そんな小さな幸福を大切にすることが、ヒュッゲの根っこにあります。私たちはこの考え方を取り入れ、「心地よさを届けるクリスマス」をつくることにしました。
何をクリスマス商品として届けるか

舞台をデンマークに定めた後、次に考えたのは「どこに飾るか」。実はクリスマスの飾り場所は悩みどころです。そこで今年は暮らしの中で目に入りやすい3つの場所に注目しました。
- テーブル
- 壁面
- ドア
それぞれ「置くだけ・掛けるだけ」で完成すること、そして3つ揃えても単体でも統一感が出ることを大切にデザインしました。詳しいラインナップは前回のブログでご紹介していますので、併せてご覧ください。
素材選びのこだわり

コニファー、実物、そして灯り
今年のクリスマス商品には一貫したテーマがあります。どの商品もグリーンが主役であることです。
一般的な赤×緑のクリスマスイメージとは少し違い、&YOUKAENでは深いグリーン × アイボリー × 少しの赤というバランスに仕上げました。これはディレクターが北欧で見た飾りの「余白ある美しさ」に基づいたデザインです。
北欧では、クリスマスのアドヴェント期間になると、森へ入り、針葉樹や実物を採ってきて飾り付ける家庭も多く、飾りは非常にシンプル。そんな素材の素朴さを、日本の暮らしでも感じていただけるように丁寧に素材を選びました。
もうひとつ大切なのは「灯り」。ヒュッゲの中心にあるキャンドルの存在です。
幅広い世代・ライフスタイルの方に安心して楽しんでいただけるよう、今回は本物のロウを使ったような質感のLEDキャンドルを採用。火の揺らぎを再現する灯りは、見た瞬間に心をほどいてくれます。
「Poler Night」という名前に込めた想い

Poler Night(ポーラーナイト)=直訳は「極夜」。本来は北極圏や南極圏の現象を指します。デンマーク自体は極夜の地域ではありませんが、冬の長さと厳しさはまるで極夜のように感じられることがあります。
私たちはその「長く暗い冬」と「灯りがもたらすぬくもり」を対比させたくて、この名前を選びました。暗い季節にこそ、小さな灯りがしみる。そんな想いを込めています。
飾る人の暮らしを静かに、やわらかく照らすアレンジメント。コニファーと灯りをそばに、穏やかな冬をお過ごしください。
次回はデンマークのクリスマスの過ごし方について、もう少し深掘りしてご紹介します。どうぞお楽しみに。
Nov 21, 2025
