デンマークのクリスマス「Jul(ユール)」。アドヴェントの過ごし方《2025 Christmas Poler Night》#3
日が短い季節にこそ生まれる“灯りの文化”

2025年クリスマスのテーマ「Poler Night」については、前回のブログでお話ししました。
今回はその世界観の背景にある 北欧デンマークのクリスマス文化 に少し触れてみたいと思います。
冬のデンマークは、東京とは比べものにならないほど日照時間が短く、
12月のコペンハーゲンでは 日照が7時間前後 しかありません。
この太陽の光が少ない季節こそ、人々が長い時間を“灯り”と共に過ごす理由。
キャンドル文化や、家の中を温かく整える「ヒュッゲ」の習慣が育まれてきた理由の一つでもあると言われます。
アドヴェント期間の過ごし方:静かに冬を迎える準備

デンマーク語でクリスマスは 「Jul(ユール)」 といいます。
アドヴェントはクリスマスの約4週間前から始まり、街が少しずつ静かに色づきはじめます。
デンマークのアドヴェントは、派手なイベントよりも「家で過ごす時間」が中心。
家族や友人と集まってお茶を飲んだり、焼き菓子を焼いたり、
ツリーのオーナメントを手作りしたりと、温かい“準備の時間”が各家庭で日常的にあります。
デンマークの小さな妖精「ニッセ」

北欧のサンタクロースと言えば、日本では大きな赤い服のサンタを想像しますが、
デンマークの子どもたちにとって身近なのは 「ニッセ(Nisse)」 と呼ばれる妖精。
小さな妖精ニッセは、家に幸せをもたらすとされ、
クリスマスの季節になると、家の棚や窓辺にニッセを飾る家庭が多くあります。
子どもたちは、ニッセが喜ぶように小さなプレゼントや食べ物を置いてあげることも。
キャンドルと過ごすアドヴェント期間

デンマークのアドヴェントで欠かせないもの。
それはやはり、キャンドルです。
デンマークでは4本の蝋燭を用意して、クリスマスの4週前の日曜から1本ずつ灯していき、
クリスマス当日を待つというアドヴェントの習慣があるそうです。
そして、もうひとつ面白いのが、カレンダーキャンドル 「Kalenderlys(カレンナーリュス)」。
キャンドルに1〜24の数字が縦に並び、12月1日から24日まで、
その日の数字の分だけ少しずつ灯していく というものです。
毎日少しずつ短くなっていくキャンドル。
“今日の分だけ灯す”という時間の重ね方には、
「急がず、ゆっくり、日々を味わう」というデンマークらしさが詰まっています。
ゆっくりと穏やかなクリスマスを迎えるという贅沢
長い冬を心地よく乗り越えるために、デンマークの人々は
「灯り」「家族との時間」 をとても大切にします。
日常を丁寧に楽しむデンマークのクリスマス。
2025年の「Poler Night」というテーマは、
そんなデンマークの冬の空気とも深くつながっています。
日照時間の短い冬の季節に、やさしく灯る光を大切にする文化。
遠く離れている日本でもそんなヒュッゲな過ごし方も素敵ではないでしょうか。
デンマークの冬を、あなたの日常にも

アドヴェント期間は、ただクリスマスを待つ時間ではなく、
“心の準備をする時間” でもあります。
急がず、焦らず、
毎日の小さな楽しみを積み重ねて冬を迎えていくデンマークの暮らし。
今年のクリスマスは、そんな “ゆっくりと暮らしに溶け込むアドヴェント” を過ごしてみてはいかがでしょうか。
Nov 22, 2025